自分は不器用な人間なので・・・「鉄道員 ぽっぽや」※健さん・・・逝く「幸せの黄色いリボン」

今はベストセラー作家の「浅田次郎」の本を読んだのはもう20年以上も前の話。

本屋であ行を探すと赤川次郎がメインで、当時は浅田次郎のコーナーは無かった。

「日輪の遺産」と言う本を読み号泣しながらページをめくりました。

そして「プリズンホテル・冬」を読みました。

そこから浅田次郎にハマっていきました。

「活動寫眞の女」はもしかしたら僕が一番好きな浅田次郎かもしれません。

それは初期の作品です。

ピカレスクと呼ばれお涙頂戴的な作品が多かった時代。
これにハマりました。

そんな浅田次郎が一気にブレイクしたのが「鉄道員 ぽっぽや」でした。

得意の短編小説に味わいのある作品がぎっしり詰まった名作でした。



後に映画化されその作品に主演したのが「高倉健」でした。

もともと軟派な僕は高倉健や菅原文太の東映映画より「寅さん」シリーズの松竹が好きでした。

初めて高倉健の映画をじっくり見たのがやはり「幸せの黄色いハンカチ」でした。

これは僕が中学生の時に聞いてレコードも買ったドーンの「幸せの黄色いリボン」が底辺にあると言うことはすぐに分かりました。




刑務所を出所した男が故郷に帰ろうとしていた。
男は出所前に手紙を出し「もし、自分の帰りが望まれるなら、木の幹に黄色いリボンを結んでおいてほしい」と頼んでいた。
男は汽車に乗って故郷の近くまで来るが、勇気がなくて、車中で知り合った男に木を見てもらう。
木の幹にはたくさんのリボンが結ばれていた。

名曲でした。

この曲をモチーフにして映画化したのが僕の大好きな寅さんシリーズ監督の山田洋次でした。

健さんは前科持ちを隠しながら北海道までを旅するロードムービーの名作でした。

それからまた浅田次郎の「鉄道員 ぽっぽや」で主演しました。

北海道の幌舞線が、今度の春に廃線になることが決まりました。
幌舞線の終着駅である幌舞駅の駅長・佐藤乙松は、鉄道員(ぽっぽや)の仕事を生きがいにしています。
ひとり娘・雪子を幼くして亡くした日も、愛する妻・静枝が亡くなった日にも、乙松は駅に立ちつづけてきました。
幌舞線の廃線と乙松の定年退職の日はほぼ同じです。

不器用だけれど燐としている高倉健演じる乙松は見事でした。

背中で演技できる俳優はもう出てこないのではないでしょうか・・・

そんな高倉健が亡くなったのは11月10日だそうです。

同じ日に名優の「森光子」「森繁久弥」も旅立っているそうです。

日本のジョン・ウエンであり昭和で輝いていた銀幕スターでした。

ぽっぽやでも乙松は大往生でした・・・

雪のホームで始発を待って・・・脳卒中でポックリ・・・

「国鉄帽をかぶり、しっかりあご紐をかける。油にまみれた男のにおいが、仙次を奮い立たせた・・

出発!進行!!!」





またひとつ、昭和が終わりました。


鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)
著者:浅田 次郎
集英社(2000-03-17)
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2014年11月18日Comments(0)TrackBack(0)天国への扉 | 昭和

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