ミルフィーユ・・・食べますか・・?
酒飲みに甘いものは禁句です。
ご多分にもれずsunboyも甘いものはダメです・・。
クリスマスにもケーキは口にしません。
この甘いもん嫌いで何度女性にふられたことか・・・。
しかし、甘いもの嫌いのsunboyも好きなケーキがあります。
ミルフィーユです・・。
若い頃のsunboyは、毎日の生活が苦しく・・いろんな仕事を経験しました。
好きな仕事では食べていけなかったのです。
自動車工場のラインの仕事。火災報知器の点検・・。ダンボール工場のプレス作業。まだまだあります・・。
辛かった・・・。しかし不思議なもので、職種が違ってもその経験は今の自分に役に立っています。
中でも心に残る仕事が、ケーキ屋さんの裏方でした。
今では、大手企業に吸収されていますが、当時はブランドのケーキ屋さんでした。
もちろんsunboyは職人さんの仕事ではなく、パートのおばさんと一緒にケーキの箱詰めや配達業務などをしたのでした。
忘れられないのがクリスマスです。
何百と言うスポンジケーキが冷凍にされていて、イブの日に解凍して生クリームやイチゴをトッピングしていく作業です。この日ばかりはsunboyもトッピングに手伝わされました・・。
そのケーキ屋さんは「ミルフィーユ」が有名でした。
皆さんもご存知だと思いますが、パイ生地の中に生クリームとイチゴを挟みこんだケーキです。
裏方だから分かったのですが、ミルフィーユの出来たては長い長方形でそれをカットして店頭に並べるものでした。そのカットのあまり部分・・、プレス用語でバリ、つまり商品にならないものを食べさせてくれました。
出来たてのパイ生地はまだ熱くパリパリです。噛むとサクサク音がします。生クリームも新鮮でイチゴの酸味も引き立ちます。
美味い〜!!
このミルフィーユが店頭に並ぶ時は、生クリームの湿度がパイ生地に移り、あの香ばしいサクサク感が失われます。
出来立てのミルフィーユを食べれるのは、まさに裏方冥利につきます。
裏方でなけれそのミルフィーユとも出会うことがありませんでした。そして、その裏方の職人芸、苦労も肌で感じることができたのです。
今でも、美味しいミルフィーユのお店と聞けば食べてみようかな・・と思います。
あれから長い年月が経ちましたが、あのバリの・・あまりの・・・余分な・・・商品にならないミルフィーユの味に勝るものはいまだにありません・・。
人生もバリであっても味があればいいじゃないか・・・。なんか「あいだみつお」風で・・・焼酎をもう一杯飲んでいいですか・・?