人生やり残したことがありますか・・・?

もし、あなたが今、ポックリ逝ったら・・、どうします?
明日は自分がチーフの大事な仕事、もしくは社運を賭けたプロジェクトが遂行中!それよりベッドの下に隠したエロ本や、マイドキュメントにダウンロードしたいかがわしいものはどうする?!。
何より自分を愛してくれた人たちとの別れ・・・。やり残したことだらけじゃん・・・。これは死ねん!!!
神様がいるとしたら、僅かな時間でもいい、やり残したことを片付けたい・・。そうお願いします。間違いなく。

そんなお話がありました。僕の大好きな作家

「椿山課長の七日間/浅田次郎」
椿山課長の7日間.jpg

思い出せない。
どうしても思い出せないー。
ここはいったい、どこなのだ。自分はどこに向かって歩いているのだ・・


仕事一筋、激務がたたり脳溢血で突然死したデパートの中年課長「椿山和昭」が三途の川を渡っている。その先に、天国か地獄に振り分ける役所みたいなものがある・・。自分は、そこで講習を受けなくては天国にはいけないらしい。では、なんの講習なのか・・。それは「邪淫の罪」らしい。まだ、死んだことにも納得がいかない椿山は、異議申し立てをする。まず、自分がやり残したことを片付ける・・。そして、邪淫の罪の疑いを晴らすこと。
異議申し立ては受理され、椿山はたった7日間の期限つきで現世に舞い戻ってくる。しかし、それには守らなければならない三つの約束がある。それを破ったら、即座に地獄行きだ。その約束とは、
一つ・・初七日までに帰らなければならない
二つ・・復讐してはならない
三つ・・正体を明かしてはいけない

以上の約束事を守ること。
かくして椿山はなんと、39歳独身女性の姿をかりて現世にもどるのでした。椿山とともに異議申し立てをした、ヤクザの組長と交通事故で役所にきた小学生の話も絡めて物語りは進んで行きます。

いつも思うのですが、笑いがあって泣ける・・・、これが本でも映画でも無くてはならないものです。それは、人生でもです。そんなストーリーが浅田文学にはあります。

誰だって、何で生きているのか?死んだらどうなるのか?みんな自分のことをどう思っているのか?気になります。
そんなみんなの思いを乗せて椿山は現世に帰ります。
そこで出会う数々の出来事。そして、やり残したことの精算。
自分が信じていた人生の裏でいかに人を傷つけ、いかに愛する人の本当の気持ちを知らなかったかを椿山は知ります。
果たして、椿山は邪淫の罪を晴らせて三つの約束を守れるのか・・・?
そして、ヤクザの組長・小学生はやり残したことを無事済ませることができるのか・・?

笑って泣ける浅田ファンタジーをどうぞ・・・


2005年02月28日TrackBack(0)BOOK 

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