ROCK 50th-3『風に吹かれて』〜ボブ・ディラン

久しぶりのROCK 50thです。今回は『風に吹かれて』〜ボブ・ディラン。どこがロックなのかとおっしゃる御仁もいるとは思いますが、まずは聞いて下さい。

「どれだけ弾丸が飛んだら闘いは終わるのだろう
どれだけ人が死んだらもうたくさんだと分かるのだろう
どれだけ人は見て見ぬ振りをして顔を背けることができるのだろう」


当時20歳のボブ・ディランが、1962年4月に作曲し、彼の代表作の1つとなったこの曲は、翌63年、ピーター,ポール&マリー(P.P.M.)が歌い全米2位の大ヒットとなりました。そして、今に至る40年間以上に渡って歌い継がれています。また、最近では、「小田和正のTV番組」でも主題歌として彼がカバーしていました。

1963年に発売された名盤「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」

ボブディラン.jpg

このアルバムは、多くのミュージシャンに影響を与えました。それは、単なるプロテストソングと言うだけではなく、フォークやロック、ジャズまで・・音楽のジャンルを越えて・・。そして、40年以上経て、今尚、その輝きを失っていません。

「ねえ、どれだけ歩きゃいいんだよ?
あんたに人間扱いしてもらうためにはさ。
ねえ、いくつの海を越えればいいのさ?
飛び疲れた鳩が浜辺でゆっくり眠るためにはさ。
まったく、
どれだけ大砲の玉をぶっ放せばいいのさ?
そんなもの、この世から無くしちまうためにはさ。」


この歌詞の中で、いろいろな疑問が問いかけられる。
その問いは、誰にも当たり前に思っていることだ。でも、いつからこの当たり前の事が、当たり前でなくなったのだろうか・・?

「ほら、その答はさ、あの風を見なよ。
風ん中にびゅうびゅう吹かれているじゃないか。」


ディランがこの歌を作った背景には、当時アメリカの人種差別や社会体制への疑問や怒りを歌にしたと言われています。
それは、当時のベトナム戦争への反対の象徴の歌・・プロテストソングとして世界に広まりました。そこ頃は、僕も子供だったので、この歌も知らなければ、意味も知りませんでした・・。

「まったく、どれだけ天を仰げばいいのさ?
大空ってやつを見るためにはさ。
いったい、いくつ耳をくっつけてやればいいんだ?
あの独裁者ってやつに、みんなの叫び声が届くためにはさ。
まったく、どれだけ殺しゃあ、ヤツは気がつくんだ? 
こりゃあ、あまりにも死に過ぎだって。


ほら、その答はさ、あの風を見なよ。
風ん中にびゅうびゅう吹かれているじゃないか。」


この歌は世の中を変えたいと願う人々の間で抗議の歌、プロテスト・ソングとして歌われるようになり、ベトナム反戦運動や公民権運動の中で、必ず歌われる歌となりました。
でも、それは30年以上も前の話でした。

「 いったい、どれだけの歳月があればいいのさ?
あの荒海が、山ひとつ流し去っちまうためにはさ。
まったく、何年かかるっていうんだよ?
彼らが檻ん中から解放されるのにさ。
まったく、どれだけ顔をそむけりゃいいのさ?
見て見ないふりをしながらさ。」


あれから、月日が流れました。そして、今尚多くのミュージシャンがこの歌を歌ってます。
『風に吹かれて』をカバーしたスティービー・ワンダーはこう語っています。「60年代のベトナム戦争。70年代のウォーターゲート事件。80年代の反アパルトヘイト。90年代の湾岸戦争。この歌が歌われ続けることの背景にあるものが、僕には悲しい」。

そして、今、私たちが悲しい戦争を前にして、またこの歌を歌っています。その歌い続ける答えも分からないまま・・・。そしてその答えは風の中・・・

The answer, my friend, is blowin' in the wind,
The answer is blowin' in the wind





2005年02月19日Comments(0)TrackBack(0)MUSIC | ROCK 

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